2007年2月、フィラデルフィアにあるLiao Collectionから依頼を受け、サイトスペシフィック・インスタレーションを制作しました。会場は、かつて印刷工場だった建物で、高い天井と大きな窓、そして幾層にも重なったインクの剥がれが残る古い壁を持つ空間でした。床には、時を経た石たちが静かに佇み、場に静けさと品格を与えていました。

私は、Liaoの石のコレクションを和紙で包み、木炭で一つ一つの表面を丁寧に擦りました。空間全体がまるで雪に覆われたような、静かな一体感が生まれました。石庭の中心には、約35センチ四方の透明なレジンの立方体を、やや高い台座の上に設置しました。作品のタイトルは《地球人 ─ 石庭の国々》としました。

壁の穴には、小さな拓本を挿し込みました。それらは、宇宙に浮かぶ惑星のようにも、あるいは衛星から見た地球上の国々の姿のようにも思えました。どの「国」も、それぞれ異なる背景や文化、人々を持ちながら、遠くから見ると似ているようにも見えるのです。

プラスチックは、私たちの日常では安価で使い捨ての素材として扱われがちです。しかしこの作品では、静かに佇む記念碑のように、まったく異なるかたちで用いました──映画『2001年宇宙の旅』に登場する、宇宙を漂うモノリスのように。