
Layers of Time
2024年5月12日~6月9日
極小美術館
Layers of Time(時間の層)
2024年春、岐阜・極小美術館にて開催された本展は、「時間」と「記憶」を主題とし、空間全体が静かな気配に包まれるように構成された。
向かい合う壁面には、極薄の手漉き和紙に多層の樹拓を重ねた平面作品が設置され、天井からは繊細な和紙が垂れ下がる。床には、樹拓を施した和紙と、時の流れとともに朽ちゆくバラの花弁が静かに配置され、鑑賞者の身体感覚に働きかける場が立ち上がった。
窓際には、《TIME》プロジェクトによる588日分の樹拓を、7列4行・21段に積み上げた塔状のインスタレーションを展示。積層された日々の痕跡が、時間の物質性とその厚みを可視化していた。
会期中には、西尾樹里によるパフォーマンスも行われた。彼女はスローモーションで空間を歩きながら、透明な和紙を静かに破っていった。和紙が破れる音と動作によって一瞬一瞬が引き延ばされ、鑑賞者はそれぞれの内なる時間と向き合う体験を得た。
パフォーマンスのダイジェスト映像はこちらの リンク から
TIME Day 1- Day 588 樹木のフロッタージュ(和紙、木炭)、ガラス、ハンダ Photo 中川達彦